研究課題/領域番号 |
18K13481
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田原 弘量 京都大学, 化学研究所, 助教 (20765276)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 光物性 / エキシトン / マルチエキシトン / ナノ粒子 / ナノフォトニクス / コヒーレント制御 |
研究成果の概要 |
半導体ナノ粒子が示す特徴的な電子応答を利用することで、高調波信号の発現メカニズムについて研究を行った。2つのパルス光の相対位相を高精度に制御した位相ロック光パルス対を用いることで、電子系のコヒーレントな応答を直接的に計測する手法を開発した。エキシトン状態を共鳴励起することで生じるマルチエキシトンを介して、高次のダイポール振動が現れることを明らかにした。また、高いエネルギーを持ったホットエキシトン状態が示す吸収エネルギーシフトのメカニズムを解明した。これらの成果によって、ナノ粒子の光学応答におけるマルチエキシトンやホットエキシトンの寄与を解明することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
半導体ナノ粒子は、電子の量子閉じ込め効果を利用することで光学的・電気的に特異な性質を示す材料として注目されている。本研究では、この半導体ナノ粒子中に光で生成した電子状態について、高い振動数を持った応答である高調波コヒーレンスが生じることを明らかにした。入射した光の周波数よりも高い周波数を持った電子応答が半導体ナノ粒子中で生じることを明らかにした本研究は、半導体ナノ粒子の光学応答の理解を深めるとともに、新しい光エネルギーの利用法や新規光源技術につながる成果である。特に、本研究で扱った半導体ナノ粒子は赤外に光吸収領域を持つため、赤外光の有効利用につながると期待できる。
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