研究課題
若手研究
過剰ホールドープ鉄系超伝導体RbFe2As2, CsFe2As2に対するネマティック感受率測定において、Fe-As方向に対応するネマティック感受率が大きく増大する結果が得られた。Ba置換系(Ba,Rb)Fe2As2の中間組成域ではFe-As方向とFe-Fe方向に対応するネマティック揺らぎが同時に発達するXYネマティック状態を示唆する結果が得られた。更に、RbFe2As2において長時間緩和法を用いた磁場角度回転比熱測定を行った。その結果、電子状態が格子の4回回転対称を破り2回回転対称になっていることを熱力学的に示す結果を得た。
本研究は過剰ホールドープ鉄系超伝導体において従来の電子ネマティック状態とは方向の異なる新規なネマティック状態が存在することを揺らぎや熱力学的な観点から明らかにしました。この性質は他の系との類似性も指摘されており、強相関電子の電子状態の普遍的な性質を理解する上で重要であると考えられます。また、置換系における結果はこれまで報告されていたネマティック状態よりも古典的なネマティックに似た状態が実現していることを示唆します。この新しく発見されたネマティック状態は、従来のものとは異なりその向きを自由に制御できるため、新しい素励起等の発見につながることが期待されます。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 6件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件) 備考 (4件)
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