研究課題/領域番号 |
18K13495
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池田 達彦 東京大学, 物性研究所, 助教 (60780583)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 電荷密度波 / 自由エネルギー / 光誘起相転移 / 光物性 / 遷移金属ダイカルコゲナイド / 非平衡現象 / 時間結晶 / 準安定状態 / 非平衡物理 |
研究成果の概要 |
層状物質の遷移金属ダイカルコゲナイドTaS2およびTaSe2の電荷密度波状態およびその派生問題の理論研究を行った。微視的理論については、これらの物質をよく表すモデルを構築し、レーザー印加による電荷密度波の融解と格子変形の様子を明らかにした。現象論については、従来の自由エネルギーの詳細な解析によって、これまで知られていなかった極小点を発見し、これが実験で見られる準安定状態と似た構造を持つことを示した。さらにこれを時間依存に拡張し、電荷密度波状態の相転移ダイナミクスの時空間構造を調べる理論を構築した。派生問題として、電荷密度波と高次高調波発生の関係や、時間結晶の新しい生成メカニズムを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1T-TaS2の光誘起初期ダイナミクスの理論計算については、類似の研究がほとんどなく、この物質の非平衡現象を解明する上で一つの貢献になった。現象論で見出した極小点および時間依存理論の構築については、伝統的な自由エネルギー理論に内在していた強力な予言能力に光を当て、最新の実験結果への適用可能性を示すものであり、今後の層状物質の研究に役立つものと思われる。高次高調波発生については、電荷密度波がこれを増強することが分かり、周波数変換素子への応用に繋がる可能性がある。時間結晶については、電荷密度波との類似性が明らかになったことで、物理学における時間と空間の等価性の現れの1つであり大変興味深い。
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