研究課題/領域番号 |
18K13512
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大池 広志 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (70725283)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 超伝導 / 強相関電子系 / 非平衡 / 準安定 / 急冷 / メモリ機能 |
研究成果の概要 |
本研究課題では、電流パルスを用いた超急冷法によって、超伝導とエネルギー的に競合する秩序(競合秩序)の形成を避けることで、超伝導を実現することに成功した。これにより、従来の熱力学に基づく超伝導探索とは異なる、動力学に基づいた超伝導探索指針を実証した。原理実証は遷移金属ダイカルコゲナイドIrTe2を用いて行ったが、スズ系合金でも同様の方法で超伝導の生成に成功しており、本研究課題の成果の波及効果が期待される。さらに、IrTe2における競合秩序形成過程を詳細に調べることで、相転移が断続的に進行することを明らかにした。この結果は、相転移の動力学の研究に対して新たな知見を与えるものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
100年以上にわたり超伝導状態を示す新物質の探索が行われてきたが、その際に主に用いられてきた方法は、対象物質の化学組成や圧力を変化させることであった。本研究課題において動力学に基づいた超伝導探索法が実証されたことにより、これまで超伝導状態にはならないと考えられていた化学組成の物質が、超伝導状態を示す候補物質になることが分かった。これは、超伝導探索という研究テーマに対して、新たな切り口が拓かれたことを意味する。さらに、電流パルスによる超伝導-非超伝導状態の書き換えに成功したことは、物質中に超伝導回路を生成/消去する技術開発へと繋がることが期待される。
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