研究課題/領域番号 |
18K13519
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2021-2022) 立命館大学 (2018) |
研究代表者 |
佐野 友彦 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (00791378)
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研究期間 (年度) |
2021-03-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | しなやかな材料 / 力学 / 幾何学 / しなやかな構造 / シェルの力学 / 複雑系 / ソフトマター / Crumpled paper / ソフトマター物理 / 構造力学 |
研究開始時の研究の概要 |
複雑な内部自由度をもつ構造物の力学応答をデザインする指針を明らかにする。一般に、自然な構造物では通常起こり得ない特異な力学特性を示す材料は、メカニカルメタマテリアルと呼ばれる。構造を圧縮すると通常は圧縮方向に垂直にふくらむ(ポアソン比が正)が、逆に垂直にも縮むもの(ポアソン比が負)が例として挙げられる。メカニカルメタマテリアルは対称性の高い内部構造を用いて開発されており、その非対称性や乱れが全体に与える影響は明らかにされていない。本研究は構造の乱れと不均一性がメカニカルメタマテリアルに与える影響を系統的に考察することにより、力学応答を自在にデザインするための指針を解明する。
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研究実績の概要 |
微細構造を精緻にデザイン可能なシェルとしたシェル構造の集合体の力学応答を実験的に明らかにすることを目的として研究を行なった。シェル構造のなかでも負のガウス曲率をもつ鞍型のシェル(ポテトチップス型)に着目する。鞍型のシェルはお互いに重なり合うことができないため、集合体は多孔性をもち 、乱雑な構造をなすが力学応答は制御可能であることが期待される。鞍型のシェルをさらに単純化した、曲がった梁構造の集合体を考えた。昨年度は実験系の確立を主に実施したため、今年度はシミュレーション研究を行い、実験結果との比較を行った。円筒シェル同士2つを互いに押し付け合う計算を行ったところ、実験と同様に滑らかにはまり込むType1と、スナップしながらはまるType2の2種類のモードがあることが明らかになった。摩擦係数を変化させると、両者のモードを切り分けるシェルの角度も変化することがわかった。そこで、実験で用いるシェルの転移角度と数値計算を比較することで、シェル同士の摩擦係数を決定した。同定した摩擦係数を用いて、シェルの多体問題の計算を実施した。実験と同様に、シェル同士がはまりあうことで、全体として低荷重のまま圧縮をすることが可能であることがわかった。圧縮の最大荷重を決めておき、その荷重に達するのに必要な最大変位、圧縮と展開のサイクル試験におけるエネルギー散逸率を実験と数値計算で測定し、両者が非常によく整合することがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り進展している。
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今後の研究の推進方策 |
実験とシミュレーションで得られた結果を論文として出版することを目指す。また多体問題を考える上で、シミュレーションでのシェルの個数を増加させた際に、結果がどのように漸近するかなどについて考察を進める予定である。
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