研究課題/領域番号 |
18K13538
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
赤松 幸尚 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (30616363)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | クォーク・グルーオン・プラズマ / クォーコニウム抑制 / 量子開放系 / 量子散逸 / Lindblad方程式 / Lindblad形式 / クォーコニウム / 非線形確率論的シュレーディンガー方程式 |
研究成果の概要 |
本研究ではクォーク・グルーオン・プラズマ中のクォーコニウムの運動を量子開放系として扱った。クォーコニウムに働く力はポテンシャル力、散乱によるランダム力、散逸による摩擦力に分類され、それぞれ内部カラー自由度に応じて異なる。このように一見単純に見えるクォーコニウムが実際には多彩で複雑なダイナミクスを持つ。これらの力を量子論的に記述するマスター方程式を導出し、数値計算を行った。数値計算と解析的考察により、クォーコニウムが熱平衡分布に緩和するために必要な微分展開の次数や、クォーコニウムを双極子として扱う近似の妥当性について、詳細に調べた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クォーク・グルーオン・プラズマ(QGP)中のクォーコニウムには、様々な異なる種類の力が働く。さらに、クォーコニウムはカラー1重項と8重項という2つの内部状態をとることができ、力の働き方がそれによって異なる。このように多彩で複雑な系であるクォーコニウムを用いて、相対論的重イオン衝突実験で作られたQGPの基本的性質(相関長や拡散係数)が明らかにされつつある。我々は、クォーコニウムをQGP環境と相互作用する量子系(量子開放系)として記述し、そのダイナミクスを支配する方程式を導き、その性質を詳細に分析した。これにより、実験データからQGPの基本的性質を明らかにするための理論的な道筋を整備した。
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