研究課題/領域番号 |
18K13550
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
横倉 祐貴 国立研究開発法人理化学研究所, 数理創造プログラム, 上級研究員 (50775616)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | ブラックホール / 量子重力 / 半古典的アインシュタイン方程式 / エントロピー / 情報問題 / 対称性 / 低エネルギー有効理論 / 非摂動解 / 非摂動 / アノマリー / 高階微分相互作用 / ホーキング輻射 / 平均場近似 / 量子多体系 / 場の理論 |
研究成果の概要 |
物質と重力の量子論的ダイナミクスからブラックホールの正体を理解することを目指した。まず、蒸発する性質を考慮し半古典的アインシュタイン方程式をプランク定数について非摂動論的に解くと、重力崩壊する物質が生む強い曲率に伴って真空の量子ゆらぎにより大きな圧力が生じ、ホライズンのない高密度物体が形成される。これがブラックホールだと考えられる。次に、ホライズンをもつ古典的ブラックホールに対し、摂動的に様々な量子効果を有効場理論の立場から調べると、従来のホライズン描像に矛盾が生じることが示された。そして、一般の量子多体系の時間発展の熱力学的有効理記述を構成し、エントロピーを対称性によって特徴づけた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ブラックホールの正体は不明である。古典力学に基づく概念であるホライズンの存在は現在の観測精度で確認されておらず、またブラックホールは有限のエントロピーを持つため量子多体系であるはずだ。その正体を理解するには本質的に量子論から考えねばならない。本研究では第一原理から再考し量子効果が本質的な役割を担う高密度物体というブラックホール描像に到達した。これは将来の観測で確認でき、また情報問題を具体的に調べる枠組みを与える。これは従来の古典的描像の限界によっても支持される。さらにエントロピーの対称性はブラックホールにも適用できる。本研究成果は量子論・重力理論・熱力学が密接に関わる領域で役立つはずだ。
|