研究課題/領域番号 |
18K13572
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 (2019) 国立研究開発法人理化学研究所 (2018) |
研究代表者 |
神田 聡太郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (10800485)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | ミュオン / レーザー / ミュオン水素原子 / レーザー分光 / 陽子半径 |
研究成果の概要 |
本研究では、陽子のZemach半径を測定するためにミュオン水素原子の基底状態における超微細構造をレーザー分光することを目指して装置開発および原理実証を行った。得られた主な成果は次の二つである。 (1) 遷移光源である大強度中赤外パルスレーザーの開発を行い、波長6.8 μmで発振する狭線幅かつ高出力の量子カスケードレーザーを開発した。さらに、中赤外領域で高い反射率を有する多重反射セルを開発した。(2) 低圧の気体水素を標的としたμ-SR法を確立し、ミュオン水素およびミュオン重水素原子の横磁場中ミュオンスピン回転の観測に成功した。これらの成果によりレーザー分光実験の実現が大きく近づいた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
陽子の電荷半径が測定によって異なる「陽子の半径問題」は素粒子・原子核・原子物理学における重要な未解決問題であり、その解決は学術的な急務である。本研究ではこれに従来法とは異なるアプローチで取り組み、実験に不可欠な装置の開発と手法の原理実証に成功した。本研究において開発した大強度の中赤外パルスレーザーは前例のない波長領域で大強度かつ狭線幅を実現し、微細加工や低侵襲治療への応用が可能である。低圧の気体標的を用いた負ミュオンによるミュオンスピン回転法は原子核・原子物理学および放射化学における重要な基礎技術となるもので今後の多方面への展開が期待される。
|