研究課題/領域番号 |
18K13630
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
飯塚 理子 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 客員共同研究員 (80632413)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 軽元素 / 水素 / 中性子回折 / その場観察 / 地球進化 / 硫黄 / 地球核 / コア-マントル形成 / 放射光X線 / 高圧地球科学 / 水 / 高温高圧 / 高温高圧実験 |
研究成果の概要 |
鉄を主成分とする地球核には、複数の軽元素が存在すると考えられている。中でも宇宙存在度が最大で、最も軽い水素は、鉄水素化物となり鉄の融点や密度を下げることから、地球核の密度欠損を説明しうる有力候補とされてきた。 本研究では水素と硫黄に着目し、原始地球を模擬した鉄ー含水ケイ酸塩系に対して放射線X線とパルス中性子を用いた高温高圧その場観察を行った。鉄の水素化に対する硫黄の影響について調べた結果、硫黄の存在によって鉄の水素化が阻害されることが明らかになった。このことから、地球進化の初期段階では水素と硫黄が固体鉄に優先的に取り込まれ、溶融鉄に他の軽元素が徐々に溶け込んだことが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高温高圧実験とパルス中性子という先端量子ビームの利用を組み合わせ、地球深部に存在する鉄や含水鉱物の結晶構造や物性、反応や化学形態について調べることで、これまでは実験的に難しいとされてきた高温高圧下での鉄中の水素の挙動を解明した。汎用的な高圧セルや放射光X線用の高解像度イメージングカメラを構築したという点で高温高圧実験の技術開発・改良に貢献しただけでなく、実験によって得られた物質科学的な知見から地球の成り立ちについて新たなシナリオを提唱したことに、学術的な意義が見出される。
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