研究課題
若手研究
プレート境界浅部の応力状態を明らかにするため、ニュージーランド・ヒクランギ沈み込み帯で取得した3次元地震探査データに走時トモグラフィ解析を適用し、P波速度とその方位異方性の3次元分布を高解像度で推定した。解析の結果、付加体内に発達する分岐断層とプレート境界断層の近傍で顕著なP波速度異方性を検出した。付加体内のP波の速い軸はプレート沈み込み方向に一致し、沈み込みによる圧縮応力場を反映している。一方、前弧海盆から陸側の領域ではP波の速い軸は海溝に平行な方向を向くことから、この場所を境にプレート境界での固着状態および上盤プレート内の断層構造が変化する可能性があることがわかった。
本研究により、プレート境界浅部の地震波速度異方性がプレート境界の応力状態やすべり様式、断層構造と密接に関係することがわかった。その学術的な意義が認められ、本研究の成果を出版した国際学術論文はEditors' Highlightsに選出され、高い評価を受けた。本研究と同様のデータ解析を日本周辺を含む他の沈み込み帯に適用することで、プレート境界浅部の実態とそこで発生する地震活動に関する理解がさらに進むと考えられる。
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すべて 国際共同研究 (9件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 8件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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