研究課題/領域番号 |
18K13907
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
林 憲吾 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (60548288)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | カンポン / 土地所有 / ブタウィ / コミュニティ / ラワベロン / ジャカルタ / インドネシア / 土地権 / ブタウィ・ハウス / 移築 / 花卉市場 / インフォーマル / インフォーマル居住地 / 土地制度 / 都市化 |
研究実績の概要 |
研究期間を通じて、オランダ植民地期から継続する歴史的カンポン(以下、<百年カンポン>)が、独立以後の人口流入に対してどのような仕組みで土地を供給したのか、さらにその過程で植民地期のコミュニティがどの程度継承しえたのかを、ジャカルタ全域のマクロな分析と西ジャカルタ・北スカブミ区・ラワベロンでのフィールド調査によって検証してきた。 ジャカルタ全域の分析では、代表者による居住環境分類のデータと人口センサスやPODESなどインドネシア政府の統計データを組み合わせて、<百年カンポン>の特性を明らかにした。例えば<百年カンポン>では、ジャカルタ出自をアイデンティティとするブタウィ人の割合が他のカンポンに比べて高い傾向にあることがわかり、戦後の人口流入に際して植民地期のコミュニティが完全に分散することなく保持されてきた可能性を提示できた。 この点はフィールド調査からも実証された。フィールド調査では、各住戸へのインタビューを通してラワベロンの土地分割のプロセスを明らかにしたが、当該地区では1970年代のカンポン改善計画による道路舗装以降に土地分割と人口増加が進んだが、元々のブタウィの住民が立ち去ることなく土地の一部のみを新規流入世帯に分割して供給するケースが多数確認された。また、血縁者には非正規な土地権のまま分筆する一方、新規流入世帯の土地は正規の土地権に変換するという使い分けの傾向が確認された。 以上によって、インフォーマル居住地としてしばしば一括りにされがちだったカンポンに対して、植民地期からのコミュニティをコアとする歴史あるカンポンが広範に存在していることや、そのようなカンポンが正規と非正規の二つの土地権を使い分けながら、ある一定の秩序を有した土地分割により人口を吸収してきた可能性を提示できた。
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