研究課題/領域番号 |
18K13950
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 学習院大学 (2019-2023) 北陸先端科学技術大学院大学 (2018) |
研究代表者 |
佐々木 康朗 学習院大学, 経済学部, 教授 (70743772)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 意思決定 / 知識共有 / 協力ゲーム / 知識 / ゲーム理論 / 気づき / 気付き / 知識移転 / システム / 知識マネジメント |
研究実績の概要 |
本研究課題では、知識移転・共有のミクロ的基礎に関する基礎的な理論モデルの構築に取り組んできた。ここでいうミクロ的基礎とは、他者への知識移転を、個々の意思決定主体による意思決定の結果と捉えた場合の相互作用メカニズムを指す。必然的に知識の提供者と受容者が関わるため、複数意思決定主体の相互作用を扱うゲーム理論が基礎となる。前年度までは主に気付きの非対称性を考慮したゲーム理論の枠組みを用いた検討を行ってきた(下記1, 2, 3)。これは非協力ゲームの観点であるが、最終年度はさらに多角的な視点での分析を行うため、協力ゲームの観点でのモデル構築に取り組んだ(下記4)。 研究期間全体を通じての主な成果は以下のとおりである。 1. 戦略集合に関する気付きの非対称性を含むゲーム理論モデルにおいて、従来、定常状態としての均衡概念の議論が必ずしも十分になされていなかったが、これを克服するものとして、合理化可能自己確証均衡を定義し、認識的ゲーム理論の枠組みを応用してその認識論的特徴付けを行なった。 2. 上記と同様のゲーム状況において、認識している戦略集合に関する事前のコミュニケーションが可能である場合に、どのようなときに実際にコミュニケーション、すなわち知識の伝達が行われ得るかを、合理化可能性の概念を用いて検討した。 3. 意思決定者が複数の意思決定基準を持つ多基準ゲームにおいて、意思決定基準に関する気づきの非対称性を導入したモデルを構築した。そのようなゲームの解概念として、既存のゲーム理論における合理化可能性の概念を拡張して定義し、その数理的性質について議論した。 4. 個々の意思決定者が不確実性下の意思決定に直面している場合に、不確実性に関する知識や情報のやり取りを行う可能性を想定し、そのような知識共有を協力行動と捉えた場合の提携形成や利得分配のあり方を協力ゲームの枠組みを用いて定式化した。
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