研究課題/領域番号 |
18K13975
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 熊本高等専門学校 |
研究代表者 |
芳野 裕樹 熊本高等専門学校, 電子情報システム工学系TEグループ, 講師 (30707914)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 水道電界通信 / 数値計算 / 等価回路 / 環境電磁工学 / 電磁両立性 / 電界通信 / 災害対策 / 水道利用 / 漏水検出 |
研究実績の概要 |
震災などによる災害時、水道管の破損による漏水と、それに伴う断水が発生する場合がある。申請者は災害時の早期復旧を目的とし、水道を通信経路として利用して室外の水道メーターと室内無線LANを接続する水道電界通信に関する検討を実施している。これが実現した場合、水道メータが取得した情報を人が直接確認しに行く必要なく、インターネットを経由して水道局が取得することができる。本申請の研究は水道電界通信の実現に向けて、水道の等価回路化を行い、その伝送特性を明らかにすることを目的とする。 当該年度においては前年度に妥当性を評価した電磁界シミュレーションソフトウェア(SIM4LIFE)を用いた数値計算により、水道管の形状による水道電界通信への影響について検討した。水道管は約1mのI型形状、1mの水道管2本を直角に接続したL型形状、1mの水道管3本を分岐させて接続させたT型形状について検討し、送信端末の位置を固定して受信端末の位置を動かしていくことで、それぞれの形状による通信への影響を検討した。その結果、各位置に配置した受信端末に誘導した受信電圧は、各形状の同位置においてほぼ近似の値となった。また、L型形状とT型形状を比較した結果、分岐した先の各位置における受信電圧においても、送信端末からの水道管上の距離と受信電圧の関係はほぼ近似となった。これらの結果から水道管の形状は受信電圧に大きな影響を与えず、通信距離による影響が支配的であることを明らかにした。研究成果はICICIC2023にて発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度、区分を「やや遅れている」とした理由である等価回路設計について、MATCH機能を用いた検討が実施可能になった。また、現在計画書に記載した残る課題である「水道管の形状による水道電界通信への影響」について検討を進めており、研究成果を今年度熊本で実施されるICICIC2023にて発表を行う予定である。更に11月に予定しているICIC Express Lettersへの投稿論文では等価回路設計の検討結果も報告予定であり、これにより計画書の内容は全て実施完了となる予定であるため、区分は「おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
現在計画書に記載した検討事項はおおむね順調に進展しており、MATCH機能による等価回路設計が完了すれば当初予定していた内容は実施完了になると思われる。前年度はコロナ禍によりオンライン開催されたICICIC2022に参加したが、今年度のICICIC2023は対面での実施が予定されている。そのため旅費の使用が必要となるが、開催予定地が熊本であるため、使用額は予定を下回る可能性がある。
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