研究課題/領域番号 |
18K13977
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
清水 麻由子 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核燃料・バックエンド研究開発部門 東濃地科学センター, 研究員 (10751191)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 活断層 / 摩擦試験 / EPMA / clay-clast aggregate / CCA / XRD / XGT |
研究実績の概要 |
本研究は,断層内物質の模擬試料と天然に存在する断層岩,及び断層運動を模擬した高速摩擦試験によって人工的に破壊させた岩石の物理的・化学的性質を,鉱物・化学分析,顕微鏡観察等により解明することで,断層の活動性評価の鍵となるような特徴(鉱物・化学組成の変化や変形組織等)を的確に捉えることを目的とする。 令和4年度は,前年度の偏光顕微鏡による組織観察で確認された,clay-clast aggregate(CCA)様の組織について,部位による組成の違いや表面の凹凸の様子を把握する目的で,電子顕微鏡による観察を実施した。 これまでにCCA様組織が確認されたケースは,断層ガウジの模擬試料の組成が(1)石英と黒雲母,(2)斜長石のみ,(3)石英・黒雲母・斜長石,(4)石英と斜長石の場合の4パターンであった。これらはいずれも,偏光顕微鏡下においては鉱物片の周囲を黒色の組織が取り囲んでいるように見える。これらの組織を電子顕微鏡で観察した結果,(2)の試料中のCCA様組織は,(1)で見られたCCA様組織と反射電子組成像を比較した場合,鉱物の中心部と縁辺部のコントラストが小さいことが分かった。また,(2)の試料中のCCA様組織の縁辺部には,(1)に比べて細かい凹凸があることも分かった。なお,類似した特徴を持つCCA様組織は(3)・(4)の試料中にも見られた。 以上より,(2)~(4)の試料中で見られたCCA様組織は(1)の試料のものとは形成過程が異なると考えられる。 令和4年度にはさらに,これらのCCA様組織について電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)による化学分析を行い,その形成過程や形成条件について考察を進めたいと考えていた。しかし,新型コロナウイルス感染拡大の影響により,当初予定していた出張が困難な状況となり,実施には至らなかった。そのため,本研究はさらに1年間の補助事業期間延長を申請した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4年度においては,薄片試料について,EPMAを用いた化学分析を行うための出張を予定していたが,新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け,出張を断念せざるを得ない状況となり,当初計画通りに研究活動を実施することができなかったため,遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
遅れを挽回するため,令和4年度に延長申請を行い,補助事業期間を1年度延長した。今後は,高速摩擦試験の試料の薄片について,令和4年度に実施した反射電子像観察の結果を踏まえて化学分析を実施し,斜長石を含む模擬ガウジにおける化学的変化等を明らかにする。その結果に基づき,CCAの形成条件等に制約を与えることに主眼を置いて考察を進める。
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