研究課題/領域番号 |
18K13981
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
栃木 栄太 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (50709483)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 変形双晶 / 双晶転位 / アルミナ / 透過型電子顕微鏡 / その場観察 / 分子動力学計算 / TEM/STEM / 粒界 |
研究成果の概要 |
走査透過型電子顕微鏡により、サファイヤにおける菱面双晶の母相/双晶界面の原子構造を観察した。界面はテラスとステップからなる構造を取ることが分かった。実験像に基づいてステップを伴う界面の原子構造モデルを構築し、第一原理分子動力学法により剪断ひずみ下におけるステップの移動現象を再現した。結果、ステップが界面に沿って移動する様子が認められた。原子位置の時間変化を解析したところ、ステップの移動に伴いステップ高さ内に含まれる2つのAl原子と3つのO原子が協調的に運動することが明らかとなった。このことにより、サファイヤにおける菱面双晶の素過程は5つの原子の協調的な運動によるものであることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変形双晶は結晶性材料に共通した塑性変形モードであり、古くから研究が進められてきた。結晶学的な対称性による要請から、変形双晶の形成にはシャッフリングと呼ばれる原子集団の協調的な運動が生じるものと考えられているが、その詳細な機構は良くわかっていない。本研究においては、サファイヤ中の菱面双晶は、わずか5原子からなる集団の連鎖的なシャッフリングにより、形成・成長することが明らかとなった。本結果は、変形双晶の形成・成長に関する原子論的メカニズムの一端を解明したものであり、学術的に重要な成果であると考えられる。
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