研究課題/領域番号 |
18K14068
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
白木川 奈菜 九州大学, 工学研究院, 助教 (90724386)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肝臓 / 組織工学 / 臓器工学 / 脱細胞化 / 血管化 |
研究実績の概要 |
本研究は「脱細胞化肝臓の作製」、「肝小葉の種、及びそれを用いた肝小葉の構築」、「脱細胞化肝臓内における血管網の構築」、そしてこれらを組み合わせることによる「脱細胞化肝臓内における血管網の構築及び肝小葉の構築」を目指した。臨床で使える技術の開発を目指し、ヒト初代肝細胞を用いた小スケールでの薬剤評価等を想定した肝臓再構築及び臓器構築時の培養系の開発、また、移植を想定した人工胆管の開発を行った。 ヒト初代肝細胞を用いた小スケールでの薬剤評価等を想定した肝臓再構築として、既往の研究よりもさらに小さいマウス肝臓を用いた脱細胞化肝臓作製法を開発を目指した。界面活性剤を経門脈的に流入することで、緻密な血管構造を維持したマウス脱細胞化肝臓の作製に成功した。さらに、初代肝細胞を播種し、培養することで肝機能発現が認められた。本研究を応用することで限られた細胞源を用いた小スケールでのヒト肝臓構築が期待され、薬剤評価等への利用が期待される。 また、肝小葉の構築を目指し、ドーナツ型培養パックやメチルセルロース添加培地による集塊培養の検討を試みた。前述の脱細胞化肝臓内で組織を構築するためには、今回得られた知見を応用し、複数種類の細胞の混合播種が必要であると考えられる。 さらに、臓器構築時の培養系の開発を目指し、ラット肝臓の培養を試みた。赤血球及び血液添加培地により酸素供給の向上が示唆され、臓器の機能維持に有用なことが期待された。本成果は臓器移植時の移植臓器の運搬等への応用も期待される。 一方、肝臓を移植する際に必要となる人工胆管の開発も行った。エラスチンを溶解して静電紡糸することで、チューブを構築することに成功した。本研究を応用し、生体肝移植時等にも使用可能な生体置換性人工胆管の開発が期待される。 上記各技術を組み合わせながら発展させることで、臨床応用可能な肝臓の構築及び構築した肝臓の移植達成が期待される。
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