研究課題/領域番号 |
18K14088
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
|
研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
中西 勇介 首都大学東京, 理学研究科, 助教 (50804324)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | ナノワイヤー / カーボンナノチューブ / 原子分解能電子顕微鏡 / 鋳型合成 / 遷移金属カルコゲナイド / ナノリボン / 電子顕微鏡 |
研究成果の概要 |
本研究では遷移金属カルコゲナイドの新奇一次元物質(ナノワイヤー)の創製に成功した。このナノワイヤーは針状物質の単針であり,理論研究は40年近く前に遡るが,合成困難で実験研究が進んでいなかった。研究代表者らは,直径数ナノメートル程度の『ナノ試験管』であるカーボンナノチューブを鋳型に用い,その合成・評価に取り組んだ。 実験・理論計算によって反応機構を解明し,その知見に基づき,高収率汎用合成法を確立した。 さらに,原子分解能透過電子顕微鏡によってナノワイヤーの構造を原子レベルで解明し,さらに他のナノワイヤーにはない周期的な「ねじれ」をもつことを世界に先駆けて明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本ナノワイヤーは「ポストナノカーボン」として物性物理学で以前から重要性が認識され,多くの研究者が合成に挑戦してきたが,有力な合成法はなかった。カーボンナノチューブを用いた鋳造反応は本ナノワイヤーを合成する唯一の手段である。これにより,長年困難だった物性研究が飛躍的に進み,未知の量子現象や新機能の発見が期待できる。また,本ナノワイヤーはカーボンナノチューブの電気・熱輸送特性を大きく変調することがわかっており,カーボンナノチューブを材料にした両極性トランジスターや高効率な熱電変換素子が実現する可能性もある。それにより,工学分野への波及効果も期待でき,省エネルギー社会の実現にも貢献できる。
|