研究課題/領域番号 |
18K14093
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
藏重 亘 東京理科大学, 理学部第一部応用化学科, 講師 (50734589)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 金属クラスター / 光触媒 / 助触媒 / 精密担持 / 可視光応答 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、金属クラスター助触媒を可視光応答性光触媒に利用することを目指していたが、並行して行っていた紫外光応答型光触媒の研究で非常に有意義な研究成果が得られたので、ここではその結果について記述する。 金属クラスター助触媒の前駆体には、チオラート保護Au25原子クラスター内のAu1原子が、PtとPdで置換されたAu24PtおよびAu24Pdクラスターを用いた。これらのクラスターを精密に合成した後、水中で光触媒と攪拌することで吸着させた。その後焼成により配位子を除去することで、光触媒上に、Au25原子クラスター助触媒、Au24Ptクラスター助触媒およびAu24Pdクラスター助触媒を精密に担持させることに成功した。 このようして得られた各光触媒の水分解光触媒活性を評価したところ、Au24Ptクラスター担持光触媒の水素生成量はAu25クラスター担持光触媒のそれに比べて増加したのに対し、Au24Pdクラスター担持光触媒のそれは減少することが分かった。これらの結果は、助触媒の僅か一原子の置換が、水分解活性に影響を与えることを示している。このように、Pt置換は水分解活性を向上させる効果があるのに対し、Pd置換は水分解活性を減少させる効果があることが明らかとなった。 さらに私たちは、反応溶液に犠牲剤としてメタノールを混入させることで、これら光触媒の水素生成反応について調査した。こうした実験条件では、酸素が殆ど発生しないため、逆反応や光酸素還元反応も殆ど生じないため、光触媒の純粋な水素生成力を調査することが可能となる。その結果、Au24Ptクラスター担持光触媒およびAu24Pdクラスター担持光触媒いずれの場合においても、水素生成量はAu25クラスター担持光触媒のそれよりも増大した。以上のように、PtおよびPd原子の置換効果は、水素生成力を向上させることも明らかとなった。
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