研究課題/領域番号 |
18K14149
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉岡 宏晃 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (20706882)
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研究期間 (年度) |
2020-03-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 微小光共振器 / レーザー / インクジェット / 微小光共振 / 微小共振器 / 色素レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
マイクロディスク光共振器は、数十~数百μm程度の直径を有する微小光共振器の一種で、円周方向に光が安定して伝搬するWGMs (whispering-gallery modes)を形成することから高いQ値をもち、集積光学、光信号処理、高感度バイオセンサーなど関連する研究が盛んである。その作製について、熱的プロセスを用いる手法では単一材料限定で有機・無機双方で達成されているが、常温プロセスの手法では有機系のみしか達成されておらず、「無機かつ常温」の領域は未踏である。本研究では、無機マイクロディスクの常温作製という学術的課題を有機で実績のあるインクジェット印刷法を用いて作製できる基礎技術を確立する。
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研究成果の概要 |
髪の毛と同程度の大きさをもつマイクロディスク光共振器は、光集積回路、高感度バイオセンサーなどで利用される重要な先端光技術である。このマイクロディスク光共振器は半導体プロセスと同様の手法で製造されるが、研究代表者は有機材料に限定されるがインクジェット技術で印刷する独自の技術を提案してきた。本研究では、これまで挑戦的であった無機マイクロディスクの常温作製を志向し、その前段階となる有機・無機材料のハイブリッド型として、ガラスの一種であるナノシリカマイクロディスクの印刷に関する要素研究を行った。その成果として、良好なシリカマイクロディスクの印刷作製を可能にし、色素を用いたレーザー素子化にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究における有機無機ナノハイブリッドのシリカマイクロディスク光共振器のインクジェット技術による常温作製の成功は、これまで挑戦的であった無機マイクロディスクの常温作製という学術的課題の解決の糸口となる。加えて、本研究成果は無機のナノ粒子を常温でマイクロディスク形状に凝集させる独自の技術であるため、インクの段階で生体由来の分子との共用が可能であったり、凝集体の隙間であるナノポーラスに物質を捕捉したりと、マイクロ光共振器に新しい機能を付加することができる。つまり、次世代のバイオセンサーや環境モニターといった社会的意義の大きい応用展開が期待できる。
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