研究課題/領域番号 |
18K14182
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 (2019) 学習院大学 (2018) |
研究代表者 |
山川 紘一郎 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究職 (60633279)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 核スピン転換 / 水クラスター / テラヘルツ吸収分光 / 赤外吸収分光 / 第一原理計算 / テラヘルツ分光 / 赤外分光 |
研究成果の概要 |
水分子,重水分子を希ガス固体中に分離し,赤外吸収分光法を用いて,核スピン転換速度を測定した.転換速度の温度依存性が,代表者が考案した「分子単量体の転換モデル」によって良く再現されることを示し,モデルの妥当性を証明した.水分子クラスターについては,60-7000 cm-1という広範な波数域を網羅するテラヘルツ・赤外吸収分光法と,新たに開発した第一原理計算法を用い,未解明であった2, 3, 4量体の分子間振動モードを特定した.そして,2量中の水分子の核スピン転換を観測することに初めて成功した.また,異種クラスターの転換研究の基盤となる,「水素,メタン分子単量体の核スピン転換速度」を決定した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で検証した「核スピン転換モデル」は,水以外の分子にも適用可能である.このモデルを用いることで,天体の熱履歴の解明,核スピン異性体の存在比の制御が可能になる.さらに本研究では,「メタン分子の3種異性体間の転換」,「マトリックス中の水素分子の転換」を世界で初めて観測しており,この点からも「単量体の転換研究」を大きく発展させたと言える. 本研究により確定した,水クラスターの2,3,4量体によるテラヘルツ吸収の帰属は,大気中における水蒸気の温室効果の評価に不可欠である.また,理論的に予測されていた「クラスター中の核スピン転換」を初めて観測したことは,今後この分野の研究を発展する際の礎となる.
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