研究課題/領域番号 |
18K14192
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
楢木野 宏 山口大学, 大学院創成科学研究科, 助教 (70781334)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | ナノダイヤモンド / リンドーピング / 二酸化炭素 / 電気化学還元 / プラズマ化学気相成長 / ナノダイヤモンド薄膜 / 粒界 / ダイヤモンド電極 / 電解還元 |
研究成果の概要 |
本研究では,水溶液中の二酸化炭素の電気化学還元に向けてマイクロ波化学気相成長法を用いてリンドープ多結晶ダイヤモンド電極を作製した.リンドープ電極は,既存のホウ素ドープダイヤモンド電極と比較して水素発生反応に対する過電圧が約1 V高かった.これは,リンドープダイヤモンド電極上で二酸化炭素の競合反応である水素発生反応が生じにくいことを示す.水溶液中に二酸化炭素をバブリングしながら電気化学測定を行った結果,二酸化炭素の還元を示す電流値の増加が観測された.2室型セルを用いた定電位電解の結果,還元生成物は主にギ酸であることが明らかになった.これは,溶存二酸化炭素が2電子還元していることを示している.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
温室効果ガスの一つである二酸化炭素(CO2)は,地球温暖化の要因となるため,これまでにもその排出を抑制する様々な取り組みが行われてきた.しかし,現代社会のエネルギー源における化石燃料の割合は8割以上と高く,CO2排出量の大幅な削減は困難を極めている.そのため,大気中のCO2の削減には,排出量の抑制技術に加え,排出後の固定化・有効利用するための新技術の開発が必要である. 本研究で開発したリンドープダイヤモンド電極は,水溶液中の溶存CO2に対して競合反応を抑制しながらCO2の電気化学還元が可能な電極材料である.今後,還元効率および還元生成物の選択性の向上を行うことで環境問題への貢献が期待できる.
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