研究課題/領域番号 |
18K14203
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
桑原 拓也 中央大学, 理工学部, 助教 (60768654)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 反芳香族性 / 非芳香族性 / 高周期14族元素 / ジアニオン / 芳香族性 / スズ / π共役系 / ヘテロサイクル / 低配位化学種 |
研究成果の概要 |
本研究では、新しい反芳香族化合物として、高周期14族元素を含むアニオン性8π電子系化合物を設計し、その合成を目指した。ジフェニルジベンゾスタンネピンを合成し、それを低温下、リチウムで還元したところ、反応時間に応じて二種類の生成物、フェニルスタンネピンアニオンのリチウム塩およびジリチオスタンネピンを得た。 前者は実験および理論の両面から非芳香族化合物であると結論づけた。一方、後者は極めて不安定であり、反芳香族性に関する実験的な証拠を得るには至らなかった。しかし、理論計算の結果から、ジリチオ体が反芳香族性を有することが示唆された。つまり、本研究を通して新しいタイプの反芳香族の創製に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、スズのジアニオン種という高周期元素の特異な電子状態を組み込んだ新たな反芳香族化合物の合成に成功した。本成果は、既存の反芳香族化合物が炭素や窒素などの第二周期の元素で構成される、という一般常識を覆し、スズのような第5周期の元素をもつ4nπ電子系化合物でも反芳香族化合物が発現する、ということを見いだした、基礎化学的に重要な成果である。
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