研究課題/領域番号 |
18K14234
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
安東 秀峰 山形大学, 理学部, 講師 (00754946)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 遷移金属錯体結晶 / 電子・スピン状態 / イオンの細孔内運動 / イオンの結晶内運動 / 電子状態 / スピン状態 / 核波動関数 / 協同性 / 量子化学 / 差スピン密度図 / スピン転移 / 協同効果 / 動力学 |
研究成果の概要 |
プルシアンブルー等の様々な鉄錯体結晶を取り上げ,結晶骨格の構造歪みと電子・スピン状態の変化,内包イオンの運動の関連性を理論的に明らかにした.参照状態を適切に選択した差スピン密度マップを用いて鉄錯体結晶の複雑な電子・スピン状態を明瞭に可視化できることを示し,内包イオンの運動とプルシアンブルー骨格の電子・スピン状態の協同的な変化を初めて明るみに出した.また,電子状態理論と核波動関数理論を組み合わせた理論プログラムを開発し,エネルギー分割法を核波動関数へ拡張した.本研究で開発・応用した理論手法やプログラムを活用し,様々な金属錯体結晶へ適用することで今後,協同性の理解が一層深まるものと期待される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属錯体結晶は多様な物性を示すことで今日,注目を集めている.しかし,結晶内部のイオン・分子の運動や結晶の構造歪み,電子・スピン状態の変化が複雑に絡みあい,化学的な直観のみでは物性の理解がしばしば難しい.ミクロの構造・運動とマクロの物性とを論理的に結びつける理論研究が求められている.本研究ではプルシアンブルー等の様々な鉄錯体結晶を取り上げ,「可視化」を突破口に混沌とした現象を丹念に解析した.また,電子と原子核の運動を量子力学的に記述する理論を組み合わせ,独自プログラムを開発・応用した.金属錯体結晶を用いた機能性材料の戦略的設計に道筋をつける試みである.
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