研究課題/領域番号 |
18K14262
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
江川 美千子 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助手 (20565882)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 汽水湖宍道湖 / リンの溶出 / 湖底堆積物 / 懸濁態リン / 斐伊川 / 硫化水素 / リン起源 / Fe型リン / 増水時の流量 / 形態別無機態リン / 懸濁粒子 / 粒度 / シルト、粘土 / 無機態リン / 細砂,シルト / 表層堆積物 / 連続分画定量 / リンの循環 |
研究成果の概要 |
本研究は宍道湖に流入する懸濁粒子及び湖底堆積物中のリンの形態について定量化を行い,特にFe型リン(Fe-P)の変動を明らかにしたものである。湖底については5地点の表層堆積物で,湖心のFe-Pが占める割合は約20%だったのに対し,他の地点は10%程度であった。これは,斐伊川から流入する粘土やシルト分(懸濁粒子)が湖心付近(より遠く)まで輸送されることを示唆している。更に室内実験からFe型リンが湖底からのリンの溶出に寄与することを明らかにした。また,斐伊川中流~最下流,赤川で増水時の懸濁粒子中のリンの形態を調査したところ,どの地点においてもFe-Pの占める割合が高いことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで有効な形態別無機態リンの分画定量法がなかったことから,その懸濁態リンの「流入→沈降堆積→還元反応」を介したリン酸イオンの湖水への回帰メカニズムの詳細は未解明であったが,報告者らが開発した定量法を用い,宍道湖へのリンの流入負荷源として斐伊川から増水時に流入する懸濁態リンの実態を明らかにすることができた。とくに,Fe型リンの占める割合が他の型のリンより高く,また,流量が大きい時に懸濁態有機態リン(POP)濃度が高くなる傾向を示した。これらの知見は,湖底に堆積した後,湖底で生成されるH2Sと反応しリン酸を溶離する,一連の生物・化学的なプロセスを解明する上で基礎的な情報となる。
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