研究課題/領域番号 |
18K14290
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
矢澤 健二郎 信州大学, 学術研究院繊維学系, 助教 (70726596)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | シルク / クモ / カイコ / 熱成形 / 圧力 / 湿度 / 射出速度 / ロバスト性 / 結晶領域 / 非晶領域 / 湿式紡糸 / 結晶化 / ロバストネス / クモ糸の階層構造 / 非晶 / 結晶 / 配向性 / 融点 / 溶融紡糸 / シルクフィブロイン / クモ糸 / 酵素重合 |
研究成果の概要 |
熱成形可能な人工合成クモシルクの合成後には、二次延伸や加熱および湿度処理などの紡糸後処理によって糸の構造・力学物性をユーザーの要望に合わせて調節する技術が重要となる。本研究では、クモシルク紡糸時の射出速度に対する依存性を調べるため、射出速度や湿度を変化させて、生きたクモから直接糸を巻き取り、構造と力学的性質に及ぼす影響を調べた。その結果、クモは射出速度や湿度に対して非依存的に、結晶構造および力学的強度を維持した糸を作り出すことを見出した。このようなクモが有する糸作成時のロバスト性は、進化の過程で獲得したと考えられ、家畜化されたカイコの糸が射出速度に依存的な性質を示すのとは対照的であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
持続可能な開発目標(SDGs)が設定され、石油を原料とする汎用プラスチックからの脱却が国際的に推進されている現在、カイコやクモなどの生物が生産するシルクは、タンパク質から構成される繊維であり、次世代繊維の候補の一つである。本研究では、クモが射出速度に非依存的に力学的強度を維持した糸を作り出すことを示した。また、圧力印加に対して、クモ糸の構造は影響を受けにくかったが、カイコの糸は結晶化が誘起されることが見出された。さらに高湿度処理によって、クモとカイコシルクの両方を結晶化させ、高強度化できることを示した。これらの知見は、ユーザーの要望に応じた物性を有する人工シルクの紡糸条件の最適化に貢献できる。
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