研究課題/領域番号 |
18K14366
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
増田 曜子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (80813237)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 鉄還元菌 / 窒素固定 / 水田土壌 / メタゲノム / Geomonas / Oryzomonas / Anaeromyxobacter / Geobacter / メタゲノム解析 / 安定同位体 / 土壌 |
研究成果の概要 |
研究成果1:鉄還元菌窒素固定は地球規模で普遍的かつ重要な事象であることの提唱。国内および海外127地点の土壌メタゲノム解析を行ったところ、うち79地点で鉄還元菌の窒素固定遺伝子が検出された。検出頻度は水田土壌だけでなく森林土壌、砂漠、極地土壌においても高かった。このことから、鉄還元菌による窒素固定は土壌環境において普遍的な事象である可能性が示された。 研究成果2:鉄還元菌が窒素固定活性を発揮することの証明。水田土壌から単離したAnaeromyxobacter属細菌が実際の土壌においても窒素固定活性を示すことを初めて実証した。また、その他新属の鉄還元菌も多数分離に成功し窒素固定活性を実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
窒素固定は大気中の窒素ガスを生物が利用できる形態の窒素に変換して土壌に供給する重要な反応である。19世紀末にはじめて窒素固定が発見されて以降、「土壌の窒素固定は植物共生細菌や光合成細菌が担う」というのが一般常識であった。しかし本研究により、窒素固定できる鉄還元菌が地球規模で普遍的に分布していること、そして既知の窒素固定細菌群よりも存在量が多い傾向も見出された。このことは窒素固定に関する定説を刷新して自然生態系の支持基盤の本質に迫るものであり、土壌学分野だけでなく、微生物学、地球科学、生態学といった自然科学分野全般において意義を持つ。
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