研究課題
若手研究
寒地におけるトウモロコシ栽培では,低温を避けるため早生品種の密植栽培で増収を図っているが,これが倒伏の一因となっている.そこで,耐冷性を備えた晩生品種の育成・利用の可能性を探るため,北海道向けトウモロコシ品種の低温下における光合成特性の品種間変異を調査し,その中から低温耐性・感受性品種を同定した.これらの品種を比較した結果,耐冷性に優れる品種では光合成に関わる内生成分含量に加え,熱放散活性が高いことが明らかとなった.また,熱放散活性が異なる品種を用いて熱放散が葉緑体温度に与える影響についても考察した.
飼料用トウモロコシでは,生育期間の短い早生品種よりも晩生品種の方が収量性や耐倒伏性に優れるが,低温によって栽培期間が制限される寒地では早生品種を密植で栽培することが一般的であり,これが倒伏の一因となっている.そのため,春先の低温に強い晩生品種が育成できれば,雪解け後速やかに播種を行い,生育期間を確保することができる.しかし,温暖な気候に適したトウモロコシは,低温下で光合成能力が著しく低下するため生育が滞る.そこで本研究では,低温下でも高い光合成能力を維持するうでで必要な品種特性を明らかにするため,北海道向け品種の光合成特性の比較を通して耐冷性品種を同定し,その品種特性を明らかにした.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)
Global Change Biology Bioenergy
巻: 11 号: 11 ページ: 1318-1333
10.1111/gcbb.12632
BioEnergy Research
巻: - 号: 1 ページ: 132-146
10.1007/s12155-019-10066-x