研究課題/領域番号 |
18K14469
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
香西 雄介 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (50783502)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 病害抵抗性 / 紋枯病 / イネ科植物 / サリチル酸 / トランスクリプトーム / ミナトカモジグサ / アシベンゾラルSメチル / イネ |
研究成果の概要 |
植物ホルモンであるサリチル酸(SA)は、イネ科植物に紋枯病抵抗性を誘導する。本研究では、SA依存的な紋枯病抵抗性の分子基盤の解明を目的とした。BTHはSAの機能アナログであるが、植物種によってはSAの機能を単純に模倣せず、特異的な転写変化を介して紋枯病抵抗性をかく乱する可能性があることを明らかにした。また、ミナトカモジグサの紋枯病菌抵抗性系統ではWRKY転写因子が制御する防御応答が菌接種に応答して速やかに活性化することを見出した。形質転換植物を用いた解析により、BdWRKY38はSAシグナル経路の下流で系統特異的な紋枯病抵抗性を正に制御する主要な調節因子として機能することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
紋枯病はイネ科植物の重要病害であるが、抵抗性の品種や系統が同定されていなかったことから植物側の抵抗性機構は不明であった。本研究により、ミナトカモジグサの系統特異的な紋枯病抵抗性は、植物ホルモンであるサリチル酸依存的であり、その実体はWRKY転写因子が制御する免疫応答の速やかな活性化であることを明らかにした。これらの現象は非親和性病原菌に対する宿主植物の応答性と類似しており、広範な宿主域を持つ殺生菌である紋枯病菌に対しても非親和性の抵抗性反応が起こりえることを示唆する。本研究は、殺生菌に対する植物免疫システムの基礎的知見を拡大し、防除策開発に向けて近縁種を利用した抵抗性遺伝資源の探索を促進する。
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