研究課題/領域番号 |
18K14485
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宮坂 隆文 名古屋大学, 環境学研究科, 講師 (80635483)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 衛星リモートセンシング / オーバーツーリズム / 関係価値 / 景観評価 / 砂漠観光 / 生態系サービス / 中国国家砂漠公園 / 保護地域管理 / 公園管理 / 砂丘 / 牧民 / モンゴル / 砂風呂 / 伝統的価値 / 土地荒廃 / オブジェクトベース画像分類 / 土地被覆分類 / 合意形成 / ランドスケープ / 内蒙古 / 観光 / 砂漠公園 / 保護地域 / ホルチン砂地 / 経験の消失と創出 / 砂漠化 |
研究成果の概要 |
本研究は、(1)乾燥地における砂丘と人との関係及びその価値を世代・地域間の比較を通じて明らかにすること、(2)砂丘の観光利用という新たな価値創出による環境への影響を明らかにすること、を目的とした。モンゴルと中国の複数地域において、聞き取りによる砂丘の価値認識調査、及び衛星画像を用いた砂丘観光による植生変化の解析を行った。結果として、年齢が低くなるほど砂丘が提供する精神的価値(リラックスできるなど)の認識が低くなること、砂丘を日々の放牧で利用する地域の牧民は植被のない流動砂丘に対しても生産的価値を見出すこと、砂丘観光地ではオーバーツーリズムにより植生劣化が起こっていること、などが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乾燥地における砂丘の拡大は、砂漠化の典型的な現れとして捉えられ、生態系の供給・調整サービス低下の指標にもなっている。しかし、かつては砂丘が文化的サービスや地域知を通じて価値を有していたという報告もある。これは、緑化一辺倒の対策が、必ずしも地域で求められているとは限らないことを示唆している。本研究は、世代・地域間における砂丘との関わり方の違いに応じて、多様な価値認識が存在すること、砂丘を観光資源とする新たな価値認識の動きが、地域の植生環境を悪化させうることを明らかにした。それにより、文化多様性の保全や地域知の活用、砂丘観光におけるオーバーツーリズムの防止など、砂漠化対策の新たな方向性を提示した。
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