研究課題/領域番号 |
18K14497
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
永野 博彦 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 博士研究員 (40758918)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 土壌炭素 / 異常気象 / 火山灰土壌 / 培養実験 / 同位体分析 / 気候変動 / 土壌炭素動態 / 地球温暖化 / 微生物 / 土壌有機物 / 乾燥―湿潤サイクル / 同位体 / 土壌有機物分解 / 複合的環境影響 / 降水パターン / 温度上昇 |
研究成果の概要 |
本研究では、土壌培養実験を通じ、仮説「地球温暖化の進行で危惧される降水パターンの変化と気温の上昇は、火山灰土壌の有機物分解と二酸化炭素放出を増大させ温暖化進行を加速させる」を検証した。茨城県の落葉広葉樹林で採取した理化学性の異なる2種類の火山灰土壌を実験に使用した。土壌培養実験では、いずれの火山灰土壌においても、降水パターンの変化に伴う土壌水分の変動増大を模擬した条件での二酸化炭素放出が水分一定条件での放出に対し大きく増大したことが示された。さらに、この水分変動増大による土壌の二酸化炭素放出増大は、地球温暖化で一般に予測されている2℃の温度上昇を考慮しても重要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人間活動の10倍規模で二酸化炭素を放出する陸域生態系土壌の環境変化に対する応答を正しく理解することは、地球温暖化の進行を正しく予測するために不可欠である。本研究で得られた成果により、日本に広く分布し炭素隔離能が高いと考えられてきた火山灰土壌であっても、地球温暖化で危惧される降水パターンの変化と気温の上昇により、炭素隔離機能が低下し二酸化炭素放出が増大する可能性が示された。このことは、将来の地球温暖化環境における土壌の二酸化炭素放出動態を正確に予測するうえで、水分変動増大影響の組み込みが必要であることを示唆している。今後、本研究が提示した可能性をより多くの土壌で検証していくことが重要である。
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