研究課題
若手研究
ミトコンドリアが正常に機能するには、ミトコンドリア外膜に局在する様々なβバレル膜タンパク質による物質輸送が不可欠である。これらのβバレル膜タンパク質を膜へ埋め込むのが、SAM複合体である。我々は、SAM複合体と、基質タンパク質を膜へ埋め込んだ直後のSAM-Mdm10超複合体のクライオ電顕構造を決定し、SAM複合体による基質交換メカニズムを解明した。本研究は Nature へ掲載された。また、SAM複合体が基質タンパク質を膜へ埋め込む途中のクライオ電顕構造を決定し、その分子メカニズムの一端を解明した。
本研究は、これまでに全く明らかにされてこなかった、ミトコンドリア外膜に局在するβバレル膜タンパク質の生合成に関する詳細な分子メカニズムを明らかにした、学術的に極めて重要な成果である。本研究により、ミトコンドリアがタンパク質を膜へ埋め込む SAM 複合体が基質タンパク質を埋め込んだ後、Mdm10によって膜へリリースされるメカニズムが明らかとなったことで、ミトコンドリアのタンパク質がどのような過程で機能するに至るのかを、分子レベルで解明されたことになる。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) 備考 (2件)
Nature
巻: 590(7844) 号: 7844 ページ: 163-169
10.1038/s41586-020-03113-7
http://www.s.chiba-u.ac.jp/pr/files/20210107mitochondria2.pdf
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/2021_ls/20210108_198_release.html