研究課題/領域番号 |
18K14644
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
柏木 一宏 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (60732980)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | クライオ電子顕微鏡 / X線結晶構造解析 / 翻訳 / 翻訳開始 / 統合的ストレス応答 / 翻訳調節 |
研究成果の概要 |
クライオ電子顕微鏡とX線結晶構造解析を用いて、翻訳開始因子eIF2Bとリン酸化・非リン酸化状態のeIF2との複合体の構造を解明した。eIF2のeIF2Bへの結合様式はリン酸化の有無によって全く異なるものとなっており、ストレス環境でリン酸化されたeIF2はeIF2Bに対して触媒反応に適さない様式で結合することによりeIF2Bの活性を阻害していることが明らかにされた。また、リン酸化eIF2の結合はeIF2Bのサブユニット配置の変化を伴っており、ストレス時のeIF2B活性阻害を緩和する低分子化合物ISRIBはこの配置変化を防ぐことで機能しているという新たな作用機序が提唱された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞がストレスを検知すると、ストレスに対処するためにタンパク質合成に変化が生じる。タンパク質合成の開始に関与する因子どうしが結合した構造をストレス時と非ストレス時とで解明し、ストレスの有無によって結合様式が全く異なるものとなることを明らかにした。また、この変化を防ぐISRIBと呼ばれる薬剤はさまざまな神経疾患に対する新規治療薬としての可能性が報告されており、我々が解明した構造をもとにこの薬剤が作用する機構について提唱した。
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