研究課題
若手研究
遺伝子重複は,生物の進化の原動力であるが,人為的な制御が困難である.特に植物では,タンデム遺伝子重複が動物に比べて非常に多いことが分かっており,人為的制御による重複遺伝子の機能の解明が期待されている.本研究では,タンデム遺伝子重複に着目し,特定の領域に長鎖欠失を誘導する技術を開発した.具体的には,シロイヌナズナの全タンデム重複遺伝子のそれぞれの両端に特異的なgRNAを自動設計するソフトウェアを開発し,複数のgRNAを同時に発現させるベクター構築と組み合わせて,迅速にゲノム編集ベクターを作れるようにした.また本ベクターの導入により,分泌性ペプチドのタンデム遺伝子重複を欠失させ,変異体を取得した.
植物のゲノムに存在する遺伝子機能の解明が,人類社会の維持に必要であることは論を待たない.多くの陸上植物のゲノムにおいて,全遺伝子の10%程度はタンデム遺伝子重複という過程を経て「遺伝子のコピー」を持っている.これらの遺伝子はコピーがあるために遺伝子機能の解明が遅れている.本研究では,シロイヌナズナを材料として,タンデム重複遺伝子を,ゲノム編集によって取除く技術の開発に取り組んだ.実際,ターゲットとするタンデム重複した遺伝子のみを取除くゲノム編集技術の基盤ができあがり,機能が未解明であった分泌性ペプチドの機能を調べることができた.
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件)
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