研究実績の概要 |
ヒト腸内に存在するファージの網羅的なリファレンスゲノムセットを作成するため、下記1-3)パイプラインを構築しゲノム配列の収集を行った。1) Genbank (https://www.ncbi.nlm.nih.gov/genbank/)、IMG/VR (https://img.jgi.doe.gov/cgi-bin/vr/main.cgi)データベースから全ファージゲノムデータの収集。2) NCBIのSRAからダウンロードした先行研究のヒト腸内viromeデータ(Norman JM et al 2015, Shkoporov AN et al 2018)をアセンブリすることで、完全ファージゲノムと考えられる環状コンティグを取得。3) ヒト腸内細菌叢のメタゲノムデータをアセンブリし、得られた環状コンティグの中からDeepVirFinder、VirSorter、ファージに特異的な遺伝子 (terminase, capsid and tail protein)の情報等を用いてファージゲノムを取得。1-3)のパイプラインから得られた全ゲノム配列を>95% identity, >85% alignment coverageでクラスタリングすることで、vOTUs (Viral operational units)を得た。 これらのvOTUsにヒト腸内細菌叢のメタゲノムデータをマッピングすることで、1被験者当たりから検出されるvOTU数や、ヒト腸内に豊富に存在する今まで知られていなかった未知の系統を明らかにした。今後各被験者のメタデータとの関連解析を行うことで、ヒトの生理状態や疾患と関連するヒト腸内ファージが明らかになると期待される。
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