研究課題/領域番号 |
18K14700
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松沢 健司 九州大学, 理学研究院, 助教 (30778668)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2018年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 細胞接着 / 細胞運動 / シグナル伝達 / 細胞骨格 / 集団細胞運動 / カドヘリン接着 |
研究成果の概要 |
集団細胞運動は、血管形成や上皮性がんの転移において極めて重要である。本研究では、細胞接着装置の構成分子であるαカテニンの張力依存的な構造変化に着目し、集団細胞運動における役割を実験観察と数理モデリング解析などを行なった。 その結果、αカテニンの張力依存的な構造変化が、RhoAの活性を亢進することによりアクチン細胞骨格の重合化を極限させ、細胞間接着における収縮力を調節し、効率的な集団細胞運動に寄与することを明らかにした。また、数理モデリングを通して、偏りのあるαカテニンの張力依存的な構造変が、不均衡な張力分布をもたらし、上皮細胞単層の協調的な遊走を可能にすることを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、力の情報を介した細胞集団のコミュニケーション機構が生化学的シグナルとどのように統合され、細胞集団運動を発揮するのかという重要な未解決課題に着目している。そして、細胞接着の質的・量的変化が、細胞集団において不均衡な張力分布をもたらすことを明らかにした。本研究の成果は新しいがんの浸潤・転移に対する新たな予防法や治療法の確立につながることが期待できる。加えて、上皮細胞シートの協調的な運動メカニズムの解明は、創傷治癒応答の遷延化によっておこる褥瘡などの疾患に対する新たな予防法や治療法を開発する上で基礎となる知見である。
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