研究課題
若手研究
平面細胞極性(PCP)は動物に広く保存され、多くの組織で見られる「細胞の方向性」の情報である。分泌性シグナル蛋白質Wntは平面細胞極性を方向づけることが示されている。これまで、Wntの濃度勾配が存在し、個々の細胞がそこから極性の情報を読み取る可能性が考えられているものの、そもそも濃度勾配が存在するのか否か、という根幹において情報が欠如している。本研究では平面細胞極性に関与が知られるWnt蛋白質の分布を可視化し、必ずしも濃度勾配的に分布しているわけではないことを明らかにした。さらにその分布に「コアPCP因子」と呼ばれる平面細胞極性の必須因子群が関わることを見いだした。
これまで、分泌性のシグナル蛋白質であるWntは濃度勾配によって位置情報を与える物質「モルフォゲン」の一種と捉えられており、この文脈にそって、組織平面内の細胞の方向性である「平面細胞極性」もWntの濃度勾配によって向きが揃えられていると考えられてきた。しかし、本研究からWnt蛋白質の分布が必ずしも濃度勾配的ではないことが判明し、さらに平面細胞極性の必須因子であるコアPCP因子はWntの分布に関与することが示された。これは従来のモルフォゲンの範疇にとどまらないWntの作用機序に対する理解を大きく前進させるものである。
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bioRxiv
巻: -
10.1101/2020.02.20.957860
120007041648
Commun. Biol.
巻: 1 号: 1 ページ: 165-165
10.1038/s42003-018-0172-x
https://www.nibb.ac.jp/cib2/
https://researchmap.jp/miiy
http://www.nibb.ac.jp/sections/developmental_biology/takada/
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