研究課題/領域番号 |
18K14725
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター (2020) 国立研究開発法人理化学研究所 (2018-2019) |
研究代表者 |
峰岸 かつら 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部, リサーチフェロー (60568814)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 左右非対称 / 器官形成 / メカノセンサー / RNA結合タンパク質 / Nodal / Cerl2 / Dand5 / Pkd2 / 左右軸 / mRNAの分解 / 機械的刺激 / ノード / 左右非対称性 / node |
研究成果の概要 |
左右非対称な形態形成は、初期胚のノードにおいて繊毛が回転することで生じる「左向きの水流」が引き金となる。この水流という刺激が細胞へと伝達される仕組みは不明であった。 最も早い発生段階での左右非対称な遺伝子発現はCerl2と呼ばれる遺伝子でみられ、ノードの右側特異的に強く発現している。この左右非対称なCerl2の発現は水流依存的にPkd2を介してmRNAが分解されることで生じる。我々はこの現象にCerl2 3'-UTR内の200塩基が必要不可欠なことを明らかにした。加えて、この配列にRNA結合タンパク質Bicc1が結合すること、および、mRNAの分解にCCR4-NOTが関与していることを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞に加わる機械的刺激による遺伝子発現の制御は発生、加齢、メタボリズム、循環器の維持など多岐にわたる生命現象に関与している。本研究は機械刺激が遺伝子発現の左右差をもたらすメカニズムについての研究であるが、左右非対称な形態形成の理解にとどまらず、広く生物学に影響を与える一般的な原理、機構へと発展する可能性を秘めている。例えば、今回解析したPkd2は腎臓上皮細胞の繊毛に局在し水流のセンサーとしてはたらくことが報告されており、その機能欠損が嚢胞腎を引き起こすことも知られている。このことから、我々はノードと腎臓細胞において類似した機械的刺激を変換する機構が存在しているのではないかと考えている。
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