研究課題/領域番号 |
18K14740
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高木 亙 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (90755307)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | エピジェネティクス / 進化 / 海水適応 / RNA-seq / ATAC-seq / 獲得形質 / 遺伝 / メダカ |
研究成果の概要 |
本研究ではミナミメダカを用いて、海水に移行した海水群(Group1)と、その後淡水に戻した海水経験群(Group2)、そしてそれらに対して塩分濃度以外の条件をすべて同じにした対照群(Group3,4)を用意し、鰓の遺伝子発現とクロマチン状態の変化をそれぞれRNA-seq, ATAC-seqにより解析した。その結果、遺伝子発現レベルでは、海水中と淡水中で大きな変動が見られたものの、淡水に戻した海水経験群では対照群である淡水個体と非常に似たプロファイルを示した。一方、クロマチン状態はGroup2と4で異なる状態を示しており、海水経験がクロマチンレベルで記憶されている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国産の小型魚類メダカは、海水への適応能力が高く、海水適応機構の研究に最適なモデル生物である。本研究では、海水へ移行させた個体が淡水へと戻った後も、海水中のクロマチン状態を一定レベル保持することで、淡水で飼育を続けた個体と比べて海水適応能力を向上させる可能性が示唆された。このクロマチン状態の記憶は、高い頻度で起こる環境変化に対して有利にはたらくと考えられ、適応進化を理解する上で重要な基礎的知見である。また、最近の研究では、一度海水を経験した魚が、淡水で飼育され続けた個体と比べて、成長がよくなることが報告されており、水産増養殖への応用も期待される。
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