研究課題/領域番号 |
18K14761
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45010:遺伝学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
古藤 日子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80583997)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 社会性昆虫 / 社会的ストレス / 行動解析 / 次世代シーケンス / アリ / 消化 / 行動アッセイ / 行動 / エネルギー代謝 |
研究成果の概要 |
社会的孤立状態は様々な生物の行動や生理状態に対して負の作用をもち、健康状態を脅かす一因となる。しかしながら、社会環境に依存した個体の行動や生理状態の制御メカニズムやその分子基盤、及び進化的起源は未だ不明な点が多い。本研究では孤立環境におかれた労働アリにおいて顕著な寿命短縮が観察されるという申請者の研究実績に基づき、一個体レベルでの行動と遺伝子発現解析により、孤立環境における個体寿命の短縮に関わる網羅的な遺伝子発現ネットワークの解明を行い、その結果、消化や脂質代謝、酸化ストレス等、機能的連関を持った複数のパスウェイが行動量と高い相関を示し発現変動することを新たに見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では社会性昆虫アリを対象として社会的孤立ストレスと寿命の連関解明により、進化的に保存された社会ストレスと健康の関わりを明らかにすることを目指すものである。その結果、消化や酸化ストレス等に関わる遺伝子群が行動変化と相関して発現変動することを見出した。老化における酸化ストレスの上昇については複数の生物種で報告され、また社会的ストレスと消化機能の関わりも他の高次社会性生物においても報告されている。高齢化社会、またコロナ禍にあり社会ストレスと健康の連関解明は重要な研究課題であり、本研究により種を超えて保存された社会環境が個体の健康と寿命に及ぼす影響と仕組みを示唆する成果が得られた。
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