研究課題/領域番号 |
18K14764
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
山崎 曜 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 特別研究員(PD) (40816021)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 平行進化 / 全ゲノム解析 / 淡水適応 / トゲウオ科 / 浸透圧 / DNAメチル化 / 表現型可塑性 / 遺伝的同化 / トゲウオ |
研究成果の概要 |
本研究はトゲウオ科魚類のイトヨを対象に,海域と淡水域を回遊する集団が淡水に残留する際に生じた適応をゲノムとエピゲノムの両面から明らかにすることを目的とした.日本のイトヨ淡水性集団を対象とした表現型の観察から,淡水型集団では欧米で見られるような防御形質の減少は多くの集団では起きておらず,起きている集団においても欧米とは異なる原因変異で生じていた.全ゲノム解析から,様々な年代に淡水化したこと,また各集団で新しく獲得した変異で適応している可能性が示唆された.また複数の淡水性集団と回遊集団を対象に飼育実験を行い,異なる塩分環境間でのメチル化パターンの違いを調べることができるサンプルを得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現時点での本研究の成果は遺伝的側面に限られるものの,それらは平行進化の遺伝的メカニズムの解明に洞察を与えうる.欧米ではイトヨの淡水性集団は,類似した時期に集団間で共通の遺伝的変異で淡水適応している場合が多いことが知られている.いっぽうで本研究の成果から,日本の集団では各淡水性集団が異なる時期に異なる変異を用いて淡水適応している場合が多いことが分かってきた.これは欧米と日本でイトヨの集団遺伝構造が異なることが原因である可能性がある.今後も欧米と異なる特徴を持つ日本の集団を追究・比較することで,これまで見過ごされてきた平行進化のメカニズムを明らかにできる可能性がある.
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