研究課題/領域番号 |
18K14803
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45050:自然人類学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
本郷 峻 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 特定研究員 (70797266)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 霊長類 / 社会生態 / カメラトラップ / 熱帯雨林 / マンガベイ / アフリカ / 食性 / 分布 / 社会進化 / 自動撮影カメラ / カメルーン / 適応 / 採食 / 採食技術 / 果実の形質 / 食物の破壊強度 |
研究成果の概要 |
カメルーン東南部の熱帯雨林において多層カメラトラップ調査を行った。88台のカメラを地上近くに、さらに150台のカメラを樹上5~24 mの高さに設置し、本研究の対象種であるアジルマンガベイを593回、ホオジロマンガベイを106回、それぞれ撮影した。分析の結果、アジルマンガベイはほとんどの撮影が地上であり、伐採区と保護区の両方に同程度撮影されていた。一方、ホオジロマンガベイは樹上高くのみで撮影され、その9割が保護区だった。これらの結果からは、両種の食性や社会性の違いに起因して、1) 生息空間と2) 植生攪乱に対するレジリエンスが異なることが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
種子食を特徴とする近縁2種のマンガベイが、利用する空間(地上/樹上)と植生攪乱へのレジリエンスに顕著な違いを見せた。両種の属間での大きな違いのひとつは、Cercocebus属のみでみられる「第二小臼歯の肥大」という種子食への適応である。したがって、形態的特徴が近縁霊長類間の生態的進化に大きな関連を持つことが示唆される。本研究は化石人類の生態を復元する際に洞察を与える。たとえば、アウストラロピテクス属の顎骨および歯の形態や種子食と生態的特徴の関連について言えば、本研究の成果は、初期人類の種子食への形態的適応が、Cercocebus属のように多様な植生環境への適応を可能にしたことを示唆している。
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