研究課題
若手研究
出生5日、12週齢、24週齢のNestin-GFPマウスの成体脳海馬から、蛍光を指標に神経幹細胞を単離し、RNA-seq解析を実施した。その結果、神経幹細胞エイジングを誘発する因子を複数同定した。さらに同定した遺伝子を、成体海馬神経幹細胞特異的に欠損させると、神経幹細胞とニューロン新生が減少することがわかった。さらにこの遺伝子欠損マウスでは、加齢に伴って、通常よりも早く神経幹細胞が減少することも見出した。現在、この遺伝子を過剰発現することで、加齢に伴う神経幹細胞の減少を止めることが可能か解析中である。
神経幹細胞は海馬で新しいニューロンを産生することで、学習・記憶を制御しているため、ニューロン新生能の低下は海馬組織の老化、さらには個体の老化につながることが分かっている。しかし、神経幹細胞エイジングの起点となる要因 (あるいは因子) が明らかになっていない。本研究では、幼齢期、若齢期、中齢期の各段階における神経幹細胞の遺伝子発現変化に着目し、神経幹細胞エイジングの起点と考えられる因子の同定に成功した。今後は、同定した遺伝子の発現を制御することで、神経幹細胞の機能回復、ならびに海馬学習記憶低下の改善法創出につなげたい。
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