研究課題/領域番号 |
18K14821
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高露 雄太 九州大学, 薬学研究院, 准教授 (30723861)
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研究期間 (年度) |
2021-11-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 脊髄 / アストロサイト / 亜集団 / 一次求心性神経 / 脊髄後角 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、代表者が同定した脊髄アストロサイト亜集団(Hes5陽性)の形成メカニズムの解明を目的とし、以下の項目を検討する。 1)成体におけるHes5脊髄アストロサイトの局在を決定づけるシグナル分子について、ウイルスベクターを用いたノックダウン実験によりその関与について検討を行う。 2)転写因子としてのHes5の機能について明らかとするため、Hes5陽性アストロサイトを回収しRNA-seq解析を行う。またウイルスベクターを用いてノックダウンを行い、Hes5依存的な遺伝子発現群を明らかとする。 3)脊髄同様に脳におけるHes5陽性細胞の分布および細胞種に関する解析を行う。
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研究成果の概要 |
中枢神経系に最も豊富に存在する細胞種として知られるアストロサイトは分子あるいは機能レベルにおいてその多様性が示唆されているが、発達期から成体にかけてその多様性を形成するメカニズムの理解は進んでいない。本研究では、申請者が同定した脊髄アストロサイト亜集団であるHes5陽性アストロサイト(Kohro et al., Nat Neurosci, 2020)に着目し、発達に伴いHes5陽性細胞の局在が脊髄後角の表層へと限局することを明らかとした。また、一次求心性神経との相互作用を介して、成体の脊髄アストロサイトでHes5の発現が誘導される可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の遺伝学的解析技術あるいは生体における細胞のイメージング技術の発達に伴い、中枢神経系においてアストロサイトの多様性が示唆されているが、それら多様性を規定しているメカニズムは未だ理解が進んでない。本研究では、脊髄後角へと投射することが知られている一次求心性神経に着目し、同神経が脊髄アストロサイト亜集団形成に寄与することを示唆した点に学術的意義がある。本研究に端を発し、生理あるいは病態時におけるアストロサイト多様性の理解につながることが期待される。
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