研究課題/領域番号 |
18K14837
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 京都大学 (2021-2022) 名古屋大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
川上 巧 京都大学, 高等研究院, 特定助教 (50793858)
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研究期間 (年度) |
2021-03-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 発生・分化 / 細胞間相互作用 / 神経前駆細胞 / Delta-Notchシグナル伝達 / 細胞運命選択 / 細胞間接触 / Delta-Notchシグナル / 神経上皮 |
研究開始時の研究の概要 |
胎生期の大脳原基において、神経前駆細胞は周囲の分化細胞との接触を介したDelta-Notchシグナル伝達を利用して、「分化」か「未分化」の運命選択を行う。従来、そのシグナル伝達は直近の隣接細胞間のみで行われる狭い範囲のものを想定してきたが、申請者は最近、2~4細胞先の遠方の細胞にまで接触する葉状仮足を新規に発見したことで、そのやり取りはより広範囲に渡る可能性(仮説)があると考えた。本研究では、1)葉状仮足の消失実験を通してこの仮説を検証するとともに、2)Delta-Notchシグナル伝達が活性化されるための「細胞間接触(部位・面積・時間)」とはいかなるものか、その本質を問う。
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研究成果の概要 |
胎生期の哺乳類大脳において、神経前駆細胞から生産された娘細胞は周囲の分化細胞との接触を介したDelta-Notchシグナル伝達を利用して、「分化」か「未分化」の運命選択を行う。従来、そのシグナル伝達は直近の隣接細胞間のみで行われる狭い範囲のものが想定されてきた。しかし、本研究によって、分化細胞においてDeltaを膜局在させた仮足様の構造物が発見され、その到達範囲は遠方の細胞にまで至ることが見出された。また、仮足を介した遠隔的な細胞間接触は、娘細胞の運命選択に影響を及ぼすひとつの要因であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、哺乳類の大脳が形成される過程における細胞の運命選択の仕組みについて理解が深まった。また、細胞が持つ微細構造とそのダイナミクスが、細胞間のシグナル伝達の範囲を規定する重要な要素であることが明らかとなった。発展的展望として、シグナル伝達が活性化されるために必要な実質的な細胞間接触(接触面積・時間)について理解する必要があり、これから得られる知見は細胞の運命選択のみならず発生(正常・がん)・再生・疾患のメカニズム解明の糸口となる期待がある。
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