研究課題
若手研究
本研究ではリン酸化プロテオミクス解析を行い、グルタミン酸受容体(NMDA受容体)の下流でリン酸化が亢進する数百種類以上のタンパク質とそのリン酸化部位を同定した。グルタミン酸がCaMKⅡを介してRhoAの制御因子ARHGEF2をリン酸化することでARHGEF2を活性化し、RhoA―Rho-Kinase経路を活性化することを見出した。さらに、Rho-Kinaseがポストシナプスの足場タンパク質SHANK3をリン酸化することで、DLGAP3との結合を増加し、NMDA受容体やAMPA受容体との相互作用を増加すること、及び情動行動とその学習・記憶を制御することを明らかにした。
本研究により、脳内の主要な神経伝達物質であるグルタミン酸の下流で働くCaMKⅡやRho-Kinaseの基質とそれらのリン酸化部位が明らかになった。さらに、CaMKⅡやRho-Kinaseとそれらの基質による情動行動と学習・記憶の制御機構の一端が明らかになった。これらの成果は基礎神経科学において重要というだけでなく、認知症などの神経疾患の病因・病態解明や診断・治療法の確立等の医学分野に貢献する可能性が高い。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)
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