研究課題
若手研究
本研究では、高次脳機能に重要なカルモデュリンキナーゼIV(CaMKIV)の、活性酸素による制御機構とそれによる細胞内情報伝達経路への影響を明らかにすることを目的とした。CaMKIVの活性化に重要なリン酸化および酵素活性は、過酸化水素による198番目のシステイン残基(Cys198)の酸化修飾を介して可逆的に阻害されることを見出した。ヒト白血病T細胞株やラット小脳顆粒神経細胞初代培養系において、過酸化水素によりCaMKIVおよび下流分子であるcAMP応答配列結合タンパク質(CREB)のリン酸化が阻害されることを明らかにした。
急速に進む高齢化に伴いアルツハイマー病などの脳神経の損傷を伴う神経疾患への対応が求められている。近年、多くの精神・神経疾患の原因の1つとして活性酸素が注目されている。本研究成果は、記憶能力の維持において重要なCaMKIVと活性酸素の結びつきを直接示したものであり、加齢や神経変性疾患に伴う記憶能力の減退機構の解明・予防や治療法の開発に大きく寄与することが期待される。
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