研究課題/領域番号 |
18K14863
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中島 誠也 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (70802677)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 光化学 / 超原子価ヨウ素 / 重原子 / 可視光 / 可視光励起 |
研究成果の概要 |
可視光活性型超原子価ヨウ素の、計算によるデザイン、実際の合成を行った。合成したPADIは狙い通り、可視光照射により酸化反応が進行した。PADIの光励起機構が、進行しないと考えられていた「直接S0→Tn遷移」であることを実験、分光測定、量子計算によって立証した。また、この機構が超原子価ヨウ素化合物全般に拡大できることを実証し、さらに1価のヨウ素や臭素含有分子まで拡大できることを示唆した。この発見により、重原子を含む分子の光反応の研究に新しい可能性を提示することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般に光反応は「S0→Sn遷移」という機構のみが考慮されてきており、多くの光反応の教科書には「S0→Tn遷移は進行しない」と明記されている。私は、本研究課題において合成した超原子価ヨウ素化合物が、その「S0→Tn遷移」によって光反応を起こしていることに気づいた。そしてこの偶然の発見は、その分子のみに起こるものではなく、ヨウ素以外にも重い原子を有している分子においても共通に現れる現象であり、これまで「S0→Tn遷移は進行しない」とされてきた光反応の常識を覆すことに成功した。これにより、これまで紫外線が必須であると考えられていた反応も、より低エネルギーで安全な可視光を用いることができるようになる。
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