研究課題/領域番号 |
18K14882
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
林 祥弘 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 客員助教 (50758216)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 機械学習 / 錠剤 / 原薬物性 / ブースティングツリー / 分子記述子 / 引張強度 / 崩壊時間 / Quality by Design / 人工知能 / 錠剤物性 |
研究実績の概要 |
人工知能技術の発展過程で生み出されてきた革新的計算技術である機械学習を用いて、原薬の物理化学的性質(原薬物性)と錠剤物性の関係を明確化した。すなわち、新規のデータベースを構築したのち、機械学習の1つであるブースティングツリー(BT)を適用することで重要な原薬物性を抽出し、錠剤物性との関係をモデル化することで、未知サンプルの錠剤物性予測を試みた。 81種類のモデル原薬について粒度分布、かさ密度、Hausner比、弾性回復率、水分含量、接触角などを含む15種類の粒子物性を測定した。また、約3000種類の分子記述子を算出した。処方は原薬50%、添加剤50%とし、直接圧縮打錠法により平錠を作製した。打錠圧は120、160、200MPaの3水準とした。錠剤物性として引張強度、崩壊時間、錠剤密度を測定した。これらのデータをまとめ、BTを適用することで原薬物性と錠剤物性間のモデル化を行った。 Leave-some-out cross-validationによりBTモデルの評価を行った結果、いずれの錠剤物性においても高精度にモデル化でき、未知のサンプルに対して高精度な予測を行えることが示唆された。構築したBTモデルを基に各原薬物性の寄与度を評価した結果、引張強度には10%粒子径、崩壊時間には吸湿性の寄与が高いことが明らかとなった。一方で、錠剤密度は分子記述子の1つであるETA Epsilon Aが高い寄与を示し、フリー体の原薬に限定した場合、ETA Epsilon Aは錠剤密度と直線関係にあることが分かった。 本研究を通じて、新規の錠剤物性データベースの構築に成功し、重要な原薬物性を特定する手法を確立した。得られた知見は、錠剤の製剤設計に人工知能技術を導入するための有用な基盤情報になる。
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