研究課題
若手研究
胎盤モデル細胞において、miR-126の発現上昇が胎盤関門形成に重要な細胞膜融合因子であるsyncytin-1/-2や胎盤関門に発現するトランスポーターSLC22A11などの発現を上昇させることを示した。これらより、妊娠高血圧腎症胎盤で報告されるmiR-126の発現変動は、胎盤関門機能の変動を反映している可能性が示された。また、胎盤栄養膜細胞の多能性維持を担うRNA結合タンパクLIN28AがmiR-126の標的となることを示した。miR-126について、胎盤における新たな役割を示唆する結果が得られた。
miR-126が胎盤における関門形成と内分泌機能に重要な分子の発現に影響することが示唆されたことから、miR-126が胎盤機能を反映する指標の一つとなる可能性を示すことができた。血管内皮における機能が主に解析されてきたmiRNAについて、胎盤における役割の解明に資する結果を得た。miR-126標的経路に対する解析は、妊娠高血圧腎症およびこれを原因とする胎児発育不全において胎児環境を正常化する治療の開発につながると期待できる。
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月刊薬事
巻: 62 ページ: 33-43
J Pharm Sci.
巻: 108(12) 号: 12 ページ: 3917-3922
10.1016/j.xphs.2019.09.005