研究課題/領域番号 |
18K14994
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
丹羽 里実 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (90725532)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | イオンチャネル / 前立腺癌 / Ca2+活性化K+チャネル / KCa1.1 / KCa2.2 |
研究実績の概要 |
5種類のCa2+活性化K+チャネル(KCaチャネル)サブタイプのうち、リアルタイムPCRを用いた遺伝子発現解析により、アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞株PC-3細胞および DU145細胞においてはKCa2.2の発現が高くない一方で、アンドロゲン依存性ヒト前立腺癌細胞株LNCaP細胞とVCaP細胞においてはKCa2.2が高発現であることを明らかにしてきている。そこで、ホールセルパッチクランプ解析とCa2+蛍光指示薬Fura 2-AMを用いたイメージング解析を行ったところ、LNCaP細胞に対するKCa2.x阻害薬UCL1684の投与により、KCa2.2が機能的に抑制され、ストア作動性Ca2+流入(store-operated Ca2+ entry, SOCE)を介した細胞内Ca2+流入が阻害されることにより、細胞生存率を有意に減弱することを明らかにした。また、UCL1684の投与ではARの転写に影響を与えることはないが、抗アンドロゲン剤の投与やRNA干渉法によるAR発現抑制により、LNCaP細胞のKCa2.2 転写は抑制された。さらに、48 hrの短期去勢環境下培養では、LNCaP細胞のKCa2.2 発現は減少した。一方で、96 hrの長期去勢環境下培養では、LNCaP細胞におけるAR発現が上昇し、それに伴いKCa2.2の発現も有意に増加した。これらの結果より、アンドロゲン依存性ヒト前立腺癌細胞株LNCaP細胞において、KCaチャネルKCa2.2がSOCEの制御を介して癌細胞増殖に関与することを明らかにした。また、KCa2.2発現がARを介した転写調節やタンパク分解調節変動、もしくはその両方によって、去勢抵抗性の獲得や維持に関与する可能性が示された。
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